私にはキツい、『バベルの学校』
上映会があったので、『バベルの学校』という映画を見てきました。
すごーくすごーく、素敵な映画なのですが、
私にはちょっと、しんどかった……まだ、自分の問題を受け止めきれていないから。
そんなにネタバレはしないつもりです。
でも、映画の内容について、私が持った印象は、しっかり書いていきます。
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映画の舞台は、フランスの『適応学級』です。
色んな国の、色んな物語を抱えた子どもたち。
それぞれ母国語が違う彼らが、フランスで勉強をしていくために、ひとつの学級で学びます。
みんな、色々な事情で、フランスへ来ている。
『フランスは好き?』
ーーー『わからない。』
フランスのほうがずっと安全で、夢も叶えられる。だから、フランスに来て楽しい。嬉しい。
そんな子どももいる中で、
さびしさや、プレッシャーに耐えながら、自問自答や葛藤を繰り返しながら、フランスで勉強し、暮らすことを選ぶーーー選ばざるを得ない、子どももいます。
同じクラスの友だちを知って行く中で、わかりあい、時に拒絶し、
フランスの社会で生活しながら、
自分の可能性を知り、世の中の理不尽に出会う。
子どもたちが常に、色々な出来事について考えている様子が、それぞれのやり方で、生きようとしている様子が、描かれていました。
子どもは柔軟です。
だって、そうしないと生きていけないから。
でも、環境の変化とか、それによるプレッシャーとか、そういったものに対して、鈍感という訳では無い。
たまに、とても強くて、ストレスなんて何?って感じのタイプの子もいるけど。
それでも、多くの子どもたちは、なんとか、その場に適応しようとして、
大なり小なり「努力して」、「柔軟になろうとして」、生きのびているわけです。
小さいころ、私は両親の離婚によって、住み慣れた街を離れました。
以前はうちの周りに、救けてくれる人がたくさんいたけど。
困った時は、近くの教会に駆け込めばよかった。
アパートの上の階には、同級生の家族が住んでいた。
帰り道の小さな畑には、キャベツがたくさん植わってて、ときどき畑のおばちゃんが分けてくれた。
そういったものを全部捨てて、お母さんと、新しい街へ引っ越して。
誰も助けてくれなくて、そもそも、自分が困ってるのかどうかも、よくわからなくなって、
毎日ひたすら、がんばって、学校にも行けなくなって、どこにも居場所がなくなってしまった。
いつもプレッシャーにがんじがらめになっていた。
私にとっては、そんな幼少時代を、感情ごと思い出させる映画でした。
同じような子が、映画の中にはたくさんいた。
半年間、タイで生活した時も、似たような感覚だったな。
もっとキツかったかもしれない。言葉も常識も通じなかったから。
タイは、差別や格差も、日本よりずっとよく見えるし。
日本に帰ってきても、「留学がつらい」なんて、なかなか分かってもらえなかったな。
そんなわけで、整理できていない過去のことを、掘り返して目の前に「どんっ!」と突きつけられた感じでした。しんどかった。
まだ、本当に、整理ができていないことがたくさんある。
私は過去に、色んなものを置き去りにしてきたんだなぁ。
今回、パニックも起こさなかったし、軽く取り乱した程度で済んだのですが……しばらくは引きずるかも。
でも、今はきちんと「居ていい場所」があるし、
しっかり足元を確めながら、「居場所」を作っていけたらいいなと思います。
ちなみに、日本は『適応学級』、たぶん無いと思います。
少なくとも、一般的ではない。
外国の子ども、たくさん増えてるのに。
元々日本語教師なので、たまに相談を受けたりするのですが、
外国から日本へ移住し、日本の生活や、学校に馴染めずドロップアウトする子どもは、たくさんいます。
各自治体の、国際交流協会などを中心に、「子どもの日本語」ボランティアが活動をしていますが、支援はまだまだ充分ではありません。
そもそも、ボランティアは週一で、学校には入れなかったりするし。
人材も支援内容も、クオリティも、何もかも追いついていない。
まぁ、そんなことも、そのうち書けたらと思います。
あー、ちゃんと生活しよう。
殴り書きみたいな感想で、お目汚し失礼しました。