いちょう2'nd (いちょうせかんど)

国際派(?)メンヘラの脳内。平和で平凡な日常を目指します。

お父さんとお母さんと、友だちと仕事と

時間を守れないのも、

約束に行けないのも、

人との距離感がわからないのも、

ぜんぶ、私が望んだことじゃない。

 

いつもいつも、やってしまったと思う度、死ぬほど悶え苦しんでいる。

 

たくさん遊びたかった。

すごく楽しみにしてた。

嫌われたくなんてなかった。

 

どうしていつもいつも、こんなに上手くいかないんだろう。

疎外感を感じる。もう仲間ハズレは御免なのに。

 

約束は怖い。

楽しみにして張り切ると、緊張して動けなくなる。

遅刻するかもと焦ると、怖くて外に出られなくなる。

人との距離感は、とてつもなく難しい。

今まで人間関係なんて、構築できた試しがないから。

 

本当は、学校にも行きたかった。

でも、学校に行ってる間に、お母さんが手首を切っていないかとハラハラしていた。

家に帰ると、父がまた、いなくなるんじゃないかと、不安が憑きまとっていた。

 

父の気を引いて、母の看病をして。

でも、父はギャンブルをやめないし、

母はブランド品とスピリチュアルにのめり込む。

 

大切な弟まで、巻き込みたくはなかった。

家の家事をして、家計のために節約して、

値引きのうどんを買い貯めて、服も学用品も我慢して。

家の中は、不安と緊張と、家族それぞれの苛立ちでいっぱいだった。

 

そんな自宅で疲れきっているのに、

学校でもキャラクターを演じきる体力なんて無かった。

行きたかったけど、みんなと遊びたかったけど、いつも長期休暇後は身体が動かなかった。

 

学校に行かないから、友だちもできない。

家族が病気だから、社会のルールもわからない。

 

そんな感じで二十ウン年、

人間関係の築き方なんて、わかるはずもない。

 

こんなに寂しいのに。

 

思春期になって、恋人ができた。

母が認めてくれなくて、いつも目を盗んで会いに行った。

罪悪感でいっぱいだった。

 

恋人も、父のように消えてしまうんじゃないかと不安だった。

捨てられるならいっそ、と思って別れを切り出した。

 

大人になって、働いて、認められたようで嬉しかった。

仕事を覚えれば褒められるし、働いた分だけお金が貰える。

嬉しくて嬉しくて、一生懸命働いた。楽しかった。

 

でも、働いたらその分、疲労が蓄積して行く。

上司が変わって、怒鳴り声を聞いた時、パニックを起こした。

心身が限界だった。

弱った私に、これまでの記憶たちが、どっと押し寄せてきたから。

 

身体と頭が覚えている、大量の記憶に襲われて、わたしが悲鳴をあげていた。

朝晩、毎日のように泣き叫ぶような日々で、仕事になんか通えるはずが無かった。

 

欲しいものが、ぜんぶ零れていく。

 

逃げ出さないお父さんが欲しかった。

抱きしめてくれるお母さんが欲しかった。

一緒に遊べる友だちが欲しかった。

続けられる仕事が欲しかった。

 

そんなに、そんなに、難しい要求なんだろうか。

 

グルグルと頭を巡っている。


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